遭難をなくする集い ~山のリスクマネジメント 道迷い遭難~

遭難をなくする集い ~山のリスクマネジメント 道迷い遭難~

UP 2024-09-04
報告者指導・遭対委員会
実施日程 2024/08/31
実施場所京都市右京ふれあい文化会館

2024年度指導・遭難対策委員会の第3弾の事業となる「遭難をなくする集い」を、京都市右京ふれあい文化会館で開催しました。

講義は、山でのアクシデントの内30%以上と最も多い「道迷い」に焦点をあて、日頃から山での遭難捜索活動に従事している救急救命士の川原氏が「遭難と原因」、「アクシデントを起こさないために」、「セルフレスキュー」の3部構成で、実技を交え講演を行いました。

参加いただいた皆さんは、実際に現場で活動している講師からの事例を交えた内容に熱心に耳を傾け、それぞれで気づきを得ていただけたと思っています。

講習会の様子は、以下サイトの活動レポートページから確認して頂けます。


指導・遭難対策委員会 活動レポートページ
行動・登攀技能講習会を実施しました

行動・登攀技能講習会を実施しました

UP 2024-08-21
報告者指導・遭対委員会
実施日程 (室内)2024/7/15 (実践)2024/7/28
実施場所(室内)京都テルサ (実践)金比羅山

2024年度指導・遭難対策委員会の第2弾の講習会を、「行動・登攀技能」のテーマで7月15日(月・祝)と7月28(日)に実施しました。
7月15日(月・祝)は、多様な自然地形や環境の中で、危険を回避し、安全確実、また迅速に行動できるトータルスキルを習得するには何が必要なのか、4つのテーマに絞って室内でレクチャーを行いました。
7月28日(日)は、前回の室内講習の実践編とし、大原の金比羅山にて不整地での歩き方や急斜面の登り下りを徹底して指導、体験していただき、また危険箇所でのフィックスドロープによる安全通過の方法を練習しました。

講習会の様子は、以下サイトの活動レポートページから確認して頂けます。


指導・遭難対策委員会 活動レポート
2023年度 雪上訓練(積雪期登山の技術修得を目指して)

2023年度 雪上訓練(積雪期登山の技術修得を目指して)

UP 2023-06-09
報告者指導・遭対委員会
実施日程 2023/06/04
実施場所中央アルプス 千畳敷カール

近年SNSの普及に伴い、安易に積雪期の山に登る「登山客」が目に見えて増加傾向にあります。滑落の危険を伴うような山でも、大多数の登山「客」はピッケルを持たず「杖」を頼りに登っています。滑ったら「死」を自覚しての登山でしょうか??…いや、「ピッケルなど持っていても使い方など分からない!」と言う方が大多数ではないでしょうか?

本連盟でも同様の傾向が見受けられるところから、積雪期登山に必須の技術修得を目指して今回、雪上でのアイゼンなしと、あり歩行、及び滑落停止技術の初歩技術を5時間かけて練習しました。

雪の状態は表面5㎝程度に軟雪、その下はある程度の堅さがあり、アイゼン無しの歩行には適切な雪質。この状態では、緩斜面の雪上歩行は体重移動に堅さがあるものの何とか○、しかし15度程度の傾斜が着いてくると個々の技術に差が認められ、さらに30度近くになると差が歴然となった。下り歩行では、緩斜面を除き全員×~△の状態。アイゼン歩行も表面が軟雪という条件もあるが満足のいく状態ではなかった。

次に行った滑落停止訓練では、ピッケルの正しい持ち方、使い方さえ分からない状態から、正しい停止動作のピッケルの位置、角度、体重のかけ方、身体の回転動作、アイゼン装時の注意等々、時間を費やして指導し、最後に実際の滑落を想定して滑落停止を行った。

すべての技術について何とか形になってはきたが、まだまだ安心して積雪の山に登るには、さらに数倍の訓練や研鑽が必要です。

以前は、夏の穗高や剣に入るときは必ずピッケルアイゼンを持参し時間があれば同様の練習を繰り返したものです。SNSには便利なところもありますが、身体で覚えることはできません。今後もこのような講習を積雪期に限らず繰り返して継続していく予定ですが、たくさんの方の受講を期待します。

2023/06 雪上訓練の様子2
2023/06 雪上訓練の様子3
2022年度 山スキー交流会

2022年度 山スキー交流会

UP 2023-03-14
報告者指導・遭対委員会
実施日程 2023/03/12
実施場所氷ノ山戸倉峠~

コロナ等のため中止していた三年ぶりの交流会を、氷ノ山戸倉峠から三の丸を往復するコースで実施した。
参加者は、歩き組を含めて11名で、3年ぶりにしては少し寂しい。リフトに近いバックカントリーは流行っているが、山スキーとなると登山とスキーの技術が必要になる。以前は、「山とスキーは一体のもの。」と考える人が多かったが今日、両方一緒にやる方はほとんどいない。今の世の中、そのような金銭的、時間的な余裕もないのが現実だろう。

当日は、天気予報どおりの曇り空で、気温も高く雪は重い。予想していた林道の除雪は、国道から200m辺りまでで、駐車したところからスキー組はスキーを歩き組はワカン等を着けなければならない。約5㎞の林道はつらい。
登山口からは、杉・桧が植林された坂谷コースを登るが、しばらくするとブナとミズナラの広葉樹林帯となり、気分も晴れてくる。傾斜が緩い広い斜面が続きのんびりと歩けるが、高度はなかなか稼げない。下山時、板が滑るか不安にもなる。
右から登ってくる殿下コースに出会う辺りから木々がなくなり、広々とした雪の斜面となる。まもなく三の丸に着くが、スキーで登る方が早いので歩き組の姿は見えない。風がかなり強いので、途中から下山したようだ。
すぐにスキーを滑りモードに切り替え、登りのトレースを外さないように下る。斜面が緩いのでほとんど直滑降に近い姿勢で滑る。林道に戻りしばらく行くと歩き組を追い抜く。やはりスキーは早い!!

長いコースであったが、天気の良い間に予定より早く下山できたことに感謝をし、今回の交流会を終了した。
※来年は、スキー組も歩き組も、短時間で登れて、双方が楽しめるコースで実施したいと考えています。

2022年度 山スキー交流会1
2022年度 山スキー交流会2
積雪期遭難救助訓練及び講習会

積雪期遭難救助訓練及び講習会

UP 2023-02-21
報告者指導・遭対委員会
実施日程 2023/02/19
実施場所正面谷/駐車場

積雪期の救助訓練および講習会を比良・堂満岳の北面で行う予定でしたが、前日から雨予報のため、実施場所を正面谷の駐車場としました。

現着時は本降りの雨、駐車場にタープやフライシートを張り、雨を避けて遭難者の救護や搬送の手順を訓練を行いました。
実際の搬送も雨の中、遭難者を括り付けるスリングや搬送時のロープが緩いと遭難者、救助者ともに負担が大きくなるということに注意を払う。その後、雪崩の危険性やビーコンでの捜索、救助。救出の実習を行い、応急手当(低体温症対策)などについて指導と意見交換をした後、実際のビーコンによる捜索を体験しました。
経験者の指導により、比較的早く遭難者を発見することができ、参加者も満足の様子だった(ビーコンの性能もよくなっているのか?)。

積雪期救助訓練を雪のない場所で雨の中という変則的な訓練、講習であったが、参加者それぞれに満足した様子が伺え、成果があったと感じられたのは、講師、委員を始め真剣に受講された皆さんのおかげと思っております。
この訓練の成果を今後に生かして、安全で楽しい雪の山を楽しんで行きたいものです。

(一社)京都府山岳連盟では、無雪期、雪期の訓練や講習、沢登りや山スキー、登山学校の開催など、多数の事業を行っています。個人、団体を問わず、関心のある方はご連絡ください。

訓練の様子1
訓練の様子2
訓練の様子3
夏山リーダー講習会を開催

夏山リーダー講習会を開催

UP 2022-11-16
報告者指導・遭対委員会
実施日程 2022/10/22 ― 2022/10/30
実施場所亀岡市交流会館

12名の受講者を得て夏山リーダー講習会を開催しました。

9時 亀岡市交流会館集合

1日目(10/22)

座学メイン
登山計画 装備 行動 宿泊 ナビゲーション 気象
山の文化と規制 について受講した。
天気図の前に「方位体操?」いい気分転換になって有効だった

2日目(10/23)

セルフレスキュー
応急手当などの実技も含めた講習と登山の運動生理学

3日目(10/29)

遊歩道を歩き地図にトラックを記入してもらう
テント・ツエルト張り

4日目(10/30)

3チームに別れての班別登山
午後は救助シミュレーション

 

26時間の講習にみんな熱心に通っていただき、励まされました。
初めての講習で行き届かぬことが多々ありましたお詫び申し上げます。
来年の検定で、またお会いしましょう。

裏山で・・・
装備について
テント設営
ツエルトの張り綱は・・・
修了式
集合写真
2022年度 沢登り交流会

2022年度 沢登り交流会

UP 2022-09-14
報告者指導・遭対委員会
実施日程 2022/09/03
実施場所鈴鹿 石谷川本谷

2022年9月3日、三重県/鈴鹿・石谷川本谷で、連盟主催の沢登り交流会を行いました。
連日の雨で谷の増水を懸念していましたが大きな影響もなく、参加者11名にて公認コーチ指導の元、沢登りを楽しむことができました。

以下レポート


連日の雨で谷の増水を懸念していたが、本流は平水の5倍位(通常が少なすぎる)の水で、濁りも何とか川底が見える程度に澄んでいた。

堰堤の駐車場で身支度を調え、躊躇なく徒渉を繰り返し進む。花崗岩の川岸が水につかりフットホールドが見えにくいが、ヘツリが面白い。水量多く少し濁りのある水は、少し深くなるとすべてを隠してしまう。足底で探りながら進むが、水が少ないより楽しく登りがいもある。水の色と川底の色で深さを判断する。急流では力強く歩を進める(そろりと足を置くと足をすくわれる)。急流の中よりもその上流の方が浅く流れも穏やかなので徒渉し易い。ヘツリは水際、または水の中のフットホールドを探しながら進む。水際から高く離れると行き詰まる。できるだけ水際に近いところを直線的に進む等の、沢でのルートファインディングを体験しながら目的地の「白雲の滝」に着く。

ここで集合写真を撮り、林道を駐車場へ戻る。今回は堰堤から上部を登ったが、水量が少ないと堰堤の下流にある滝を登ると、泳ぎもあり面白い。

沢登り交流会2
沢登り交流会3
交流登山「大台ケ原~大杉谷」

交流登山「大台ケ原~大杉谷」

UP 2020-11-11
報告者指導・遭対委員会
実施日程 2020/11/07 ― 2020/11/08
実施場所大台ケ原~大杉谷

連盟交流登山「大台ヶ原~大杉谷」

11月7~8日

自家用車や公共交通機関使用の登山は、難しい場所と言うことで、大杉谷へはほとんどの人が訪れたことがない。「それならマイクロで行けば簡単ヤデ!」と、紅葉真っ盛りの時期に計画を実行した。

7日 募集定員ぴったりの20名が集まり、雨がショボ降る大台駐車場を出発し、対せいて濡れることもなく粟谷小屋に到着。明日の鋭気?を養う。

8日 夜中に通過した前線の雨が心配されたが、青空も見える天気に安心して出発する。

堂倉谷出合から大杉谷に入り、岩壁に切り開かれた道を進む。黒部の水平道は、ほぼ水平であるが、大杉谷は、小さな登り下りが続く。大きな鎖が張ってあるが不安定な道を慎重に進む。途中、七ツ釜の滝では、前日転落した人の収容作業に遭遇した。確かにこの道は転落すれば助かることはほぼない。

対岸の150mを超える高さから落下する千尋滝やニコニコ滝等を見ながら、三重県側の宮川登山口に到着するが、足の揃ったメンバーでないとコース中、気の休まることはない。

参考:粟谷小屋~宮川第3発電所 8時間(休憩含)

交流登山「大台ケ原~大杉谷」2
2021年度 沢登り交流会

2021年度 沢登り交流会

UP 2020-09-04
報告者指導・遭対委員会
実施日程 2020/08/29
実施場所比良 奥ノ深谷

コロナ過の中、連盟事業の一つである「沢登り交流会」が開催されました。
連日、晴天が続いていたのですが、前日の雷雨で増水が心配されましたが、心配したほどのこともなく、きれいな水ときれいな自然の中で、沢登り愛好者の交流が図られました。
こんな身近な場所に、日本一充実した?沢がある京都は、恵まれています。

これからも皆さんの交流がますます深まることを願って、この事業を継続していきたいと思います。ヒルにもやられましたが、楽しい沢登りでした。お疲れさまでした。

2020 沢登り交流会2
2020 沢登り交流会3
遭難をなくする集い トップクライマーで山岳写真家の 平出和也さんを迎えて

遭難をなくする集い トップクライマーで山岳写真家の 平出和也さんを迎えて

UP 2019-12-08
報告者指導・遭対委員会
実施日程 2019/12/06
実施場所京都テルサ

トップクライマーでもあり山岳写真家でもある平出和也さんを迎えて「遭難をなくする集い」を開催しました。

平出さんが登山を始めた頃から、2回目のピオレドール賞を受賞するに至ったシスパーレ東北壁新ルート登攀まで、登山に対する熱情を熱く語って頂きました。

これだけの困難な登攀をこなすなかで、いままで大きな事故もなく登ってこられたことには、平出さんの社会生活から登山活動にまで貫かれた思いがあることを皆さん強く感じ止められたこと思います。

それがただ山に登るだけでなく、事故なく「生きて帰れる登山」につながり、体力の限界が来るまで登山は続けられると言うことに自信を持たせてくれました。