府民紅葉観察会の報告

府民紅葉観察会の報告

UP 2017-01-11
報告者自然保護委員会
実施場所京都大学フィールド科学教育研究センター 上賀茂試験地

[日時] 2015年12月4(日)9:00~13:00
[主管] 京都府山岳連盟
[主催] 京都府山岳連盟 自然保護委員会
[参加者] 山岳会会員・一般会員40名 委員12名 計52名
[場所] 京都大学フィールド科学教育研究センター 上賀茂試験地(京都市北区上賀茂本山2)
[コース]
出町柳9:00=(叡電)=9:17京都精華大学前9:33-9:38更雀寺9:43-9:52正門前10:27-12:06展望台(昼食)12:40-13:10正門前(解散)13:26-京都精華大学前

[講師]
(公社)日本山岳協会認定 自然保護指導員 尾松建二 委員  中島睦美 委員 伊佐登 委員
[写真] 萩原孝一 田中晴喜 文 増尾翼

世界のいろいろな植物が植栽されている京大試験地の植物の紅葉を鑑賞しながら、植物の仕組みや自然と私達とのかかわりを、担当委員の先導で参加者全員で考えて行きます。

  叡電・京都精華大学前で降りて5分ほど歩くと更雀寺(きょうじゃくじ)である。
平安時代、更雀寺は千本三条付近にあったが、1977年、四条大周辺の都市化に伴い現在地に移転した。歌人・藤原実方(さねかた)が奥州に左遷され亡くなった。望郷の念から雀に化身し京都に戻ったため法印で、雀塚に埋め供養したという。雀塚の傍に雀の焼き物が置いてある。また中将実方塚の墓と伝えられる五輪塔が立っている。

メキシコ原産のパツラマツという葉がやや長いマツなど見ながら京大上賀茂試験地に着いた。鍵で扉を開けて中に入って、ここに集まって委員長の挨拶があり、役員の紹介と注意事項の伝達があった。講師の話しが始まった。カエデは新分類体系(APG体系)ではムクロジ科になる。カエデの名前の由来はカエルの手に似ていることから、カエルテ カエデとなった。カエデとモミジは植物分類上の種類を区別する言葉ではなく、紅葉する木の代表としてカエデ属がモミジと呼ばれている。配布された「カエデ属のなかまの葉」には色と形で名前が分かるようになっている。とくに日本には固有種が多い。植物の名前は学術的名称として使う場合はカタカナ表記する。
トイレ休憩のあと、講師の先導で池の方に降りていった。
湿地を敷き詰めるような赤茶色の落葉はメタセコイヤである。見上げると20m程の高木だった。アメリカのセコイヤは地球上で最大の巨木で樹高100mのものがある。メタセコイヤはセコイアに「メタ」(その後、変化したの意)の接頭語をつけたもの。新生代第三紀層から化石としてのみ発見されていたが、1945年に中国四川の「スイサン(水杉)」が同種とされ、現存することが確認された。その後挿し木で増えた。和名はアケボノスギ。

その先で奇妙な気根と呼ばれる呼吸根をニョキニョキ出しているのは、「ラクウショウ(落羽松)」。スギ科ヌマスギ属の落葉針葉樹。ラクウショウとメタセコイヤは良く似た高木だが、ラクウショウはスギの仲間なので、葉は線形で葉は互生している。メタセコイヤは対生。大きな葉が落ちているのは「トチュウ(杜仲)」。・・・・・・・・・

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