ヘッダー2
ヘッダー2
「登山学校」特設サイト

 
「登山学校・基本コース」
space
 第3回[第3コース/テーマ:山の天気]
181118_1space181118_2
181118_3space181118_4
181118_5space181118_6
第3回の参加者(ケーブル比叡駅前で班ごとに撮影)  右下=浄刹結界跡近くの紅葉
space
181118_7
途中にある展望所からの京都市街(遠景左は愛宕山)
space
181118_8
倒木帯を登る(ケーブル比叡駅の直下で)
space
space
 第3コ−スは、銀閣寺からケーブル比叡駅までの長い登りのコース。当初は7月22日(日)に実施される予定だった実習登山が、連日の記録的な猛暑による参加者の熱中症が心配されたので延期されていた。
 季節は秋となり、この間に京都を襲った台風でこのコースも甚大な被害を受けた。一度目のスタッフ下見(10月17日)では、千種忠顕碑付近までは倒木があるものの処理されており通行に問題はなし。だが、その先のケーブル比叡駅付近は倒木が折り重なってルートがどこにあるかも判別しがたい状況。迂回路としてつけられたトラバース道もまだ踏跡が浅く、登山学校として大勢の参加者と歩くことに不安が感じられた。二度目の下見(11月3日)は、安全対策を施すために行われたが、懸念があった場所はその後の関係各所の尽力で道が驚くほど整備されていた。これなら、安全に実習登山は実施できるとスタッフ一同が自信を持った。
 朝9時15分。銀閣寺門前北の八神社から参加者55名とスタッフ10名の5班体制で出発。晴れて暑くもなく寒くもなくこれ以上ないほどの登山日和。ただこの季節、日が短いことをとくに注意する必要がある。今日の日の入りは、17時前。遅くとも16時には、ゴールのケーブル比叡駅に到着したい。
白川と琵琶湖疏水の交差地点で、川の下を川がくぐって反対側に顔を出す不思議な構造(サイフォンの原理)に明治の人の知恵を感じながら進む。浄土寺橋のたもとで遅れてきた参加者1名と合流。総勢66名となる。
 日本バプテスト病院の横をから山道に入る。この辺りはかつて白川砂の採取場所であった。参加者が順番に先頭に立って読図をしながら歩き、大山祇神社の先の分岐で、今回は谷道よりも台風などによる地形変化が起こりにくい左の尾根道へ進む。白幽子旧跡を過ぎ、 点々と現れる狸谷不動院の童子を祀った祠の横を通って瓜生山に到着。ここで小休止しながら、全員で瓜生山や東山三十六峰・狸谷不動院についての興味深い話を聞く。再び1班より歩き始め、なだらかな道を行って石鳥居に着き昼食とする。
 昼食後に「ストックの使い方」を講習。実習は歩きながら行うということで出発。初めてストックを使う参加者も多く、ギクシャクした動きもちらほら見受けられたが、音羽川上流の渡渉も無事通過。しばらくするとストックも少しずつ慣れてきた様子で、道具のメリットを十分に発揮するには、正しい知識と使うための実践練習が必要だと改めて思う。
 水飲対陣跡碑と浄刹結界跡を過ぎると、上り道の傾斜がきつくなる。例年なら暑さも加わって参加者は疲労困憊のはずだが、涼しい気候のおかげか実習登山も5回目で体が慣れてきたのか、「思ったほどきつくない」という頼もしい声が聞かれる。この間、参加者一人に仕事上の急な用事が入り、スタッフが同行して先行下山してもらう。
 登り途中の広場で最後の小休止。ここから少し進みケーブル比叡駅に至る二本の道の分岐に出る。
 しかし、大量の倒木群が分岐周辺を覆っていて先が見えない。倒木の枝をかき分けて、ようやく分岐の標識を見つける。右の行者道は、斜面全体に大量の杉が山頂方向へ帯状に倒れていて、立ち入ることができない状態である。
 左のケーブル比叡駅方向へのトラバ−ス道に向かう。こちらも、道は整備されているものの中の谷筋ではすべての杉が根元からヒックリ返っている。自然の力のすごさに驚かされながら進むと、ケーブル駅の直前でコ−スを塞ぐようにまたまた倒木の山。アスレチックさながら倒木をくぐったり跨いだり、新たに造られたエスケープ道を注意しつつ登り、ほどなくケーブル比叡駅前広場に着いた。夕陽が西の空にまぶしく輝く16時直前であった。
 読図の経験を積みながら、時どき不意に現れる紅葉と台風の倒木によって得られる展望に励まされた実習登山だった。(S.F)
space
space
→ 「登山学校・基本コース」
→ Home

© Kyoto Alpine League 2011