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「登山学校・基本コース」
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 第2回[第2コース/テーマ:山の歩き方、トレーニング]
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第2回の参加者(班ごとに撮影。「大文字」火床で)
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トレイルの沿道で見られたキツリフネの花
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歩き方の練習
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火床から京都市街北部を望む(遠景左は愛宕山)
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 6月24日(日)9時5分。 実習生50名とスタッフ+サポーター13名が蹴上の「田邊朔郎像」前広場に集合した。
 前日来の雨が今朝方まで降っており、先ほど止んだばかりというのは全く昨年と同様の状況だった。それに加え、実習生の皆さんにとってつい先日の大阪高槻が震源の大規模地震の影響が気になるところであろう。その点は前日のスタッフ+サポ−ターによる下見で安全が確認できており、自信をもって実習登山に挑めた。
 出発前の全体ミーティングで説明のあった琵琶湖疏水は、明治時代初めに東京遷都で衰退した京都の活気を取り戻そうと、時の第三代京都府知事=北垣国道=が産業復興と近代化を進めながら文化的な生活の向上をめざした計画である。それは琵琶湖から水路で水を引き、物流と水力発電による産業機器の効率化と増進。電灯の増加や電車の運行による人々の交流と多様化などを盛り込んだ一大計画であった。その事業を現東京大学工学部を卒業したばかりの若干21歳の若者=田邊朔郎=が成し遂げる。5年の歳月をかけて明治23年に竣工(第一疏水)、明治40年代に第二疏水が完成し、飲料水の十分な確保が図られた歴史がある。
 次に訪れたのが日向大神宮。ここは伊勢神宮と並ぶ格式ある神社で、今は訪れる人はかなり少なくその歴史を知る人も非常に少ない。実習生の皆さんにとっても、スタッフの説明に頷いていた人の表情で知ることができた。
 雨上がりの蒸し暑い登山道を額に汗して登る。途中で振り返ると、山科の街や進むにつれて高度感を増してくる京都の街並みの絶景に疲れも一瞬どこへやら。安らぎのひと時である。
 今日の課題である「歩き方」の訓練を、標識45の「四ツ辻」から上の斜面で行う。昨日の雨で濡れた斜面はなかなか手強いところもあったが、滑りの経験もしながら皆さん体感できたようだ。そこから150mほど進んだ大文字山の山頂に到着。待望の昼食時間となり、先ほどまでの辛そうな顔が一気に明るくなって、そこここで楽しそうな会話が聞こえた。
 昼食と京都市内がほぼ見渡せる絶景を楽しんだ後は、「大文字」の火床へ向けて下山開始。滑る足元に注意して、習った足運びで歩を進める。30分ほどで火床へ到着。ここの景色も非常によい。一息ついて「大」の字の要に向かい、各班毎に記念写真を撮影。彼方に映る山並みの山名の説明を受け「いつかはあの頂きへ」と目を輝かせている人もいたようだ。
 そして、順次下山。途中にある千人塚の話も聞き、解散場所の八神社へ到着。皆さんの顔には、今日の山行と暑さによる疲れの表情だけでなく達成感による喜びの表情が見え隠れしていた。
 京都一周トレイルは名勝旧跡が随所にあり、今日のコースも登山訓練とはいえ、各ポイントでは古くからの文化構築・歴史話や逸話も聞け、また現代的な地質学・植物学的な話もそれぞれに楽しめた1日となった。(K.K)


時間記録
蹴上・田邊朔郎像前広場(9:20出発)〜日向大神宮(9:45)〜七福思案処(10:45)〜四つ辻(12:15)〜
大文字山(12:30〜13:05)〜「大文字」火床(13:35)〜八神社(14:50解散)
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