昨夜からの雨降りのなか、大原街道の戸寺バス停前ドレッシング屋さんの脇、山岳連盟旗を振るレインウェアー姿の固まりが、京都バスが到着する度に大きく賑やかになってきました。なかでも、今回スタッフとして応援していただい山代さんの元気さは、声で雨をけちらかす程ほどの勢いがあります。
9時30分、24名の参加者とスタッフ6名の集合を確認。今回は地図読みの実践。トレイル標識があっても、番号を伏せるつもりで、よほど間違えた場合を除いて、スタッフは誘導をしないし質問にも答えない。概ね5人ずつのグループで、地図を読んで進むべき道を協力して探しながら進んでいただく。
尾松校長からの励ましの挨拶に、緊張と不安感が漂う。江文神社までは集団行動として出発。高野川の元井出橋から東西南北を観て地形をまず把握。鳥居のある馬場跡では、金比羅山岩登り関係の駐車問題や清掃登山活動の経緯について説明を受け、江文神社前では、地図読みの重要性、雨具やスパッツの着用要領、低体温症対策、スズメバチ対策など、経験豊富な校長から学ぶ内容は盛りだくさん。
グループ分けして、先頭はローテーションとし、1班先頭でさあ出発。参道を「標識29」に戻ってから西に入り、江文峠へと坂道を上がっていく。「標識31」では、後白河法皇が大原の寂光院に建礼門院を訪ねるとき、静原から江文峠を越えて通られた「大原御幸」ゆかりの古道があるとのこと。田畑さんの説明には臨場感がある。「標識32」の先や静原小学校前などで読図の要領を学び、古代米を残した田んぼ、鮮やかなコスモス畑、整然と育つスグキ畑を眺めながら、静原神社に着く。
ツアーバス2台の先客と入れ替わり、昼タイムは神楽殿に雨宿りさせていただく。再出発してからは、集落を抜けて薬王坂の急な坂に取り付くが、地図上の道と実際のコースの違いに戸惑う。峠までは長い登りが続いて辛いが、峠を越えてからはあたかも新緑のような緑一面の景色に変化し、やがて鞍馬街道へと下山する。
町は22日の由岐神社「火祭り」の準備中。「サイレイヤ、サイリョウ」のかけ声まであと2日。参道には松明が用意されようとしている。叡電鞍馬駅前にて、集合写真を撮って解散とする。
今回は積極的な地図読みの繰り返しで、地図の見方とコンパスの使い方に慣れていただいたようです。参加者の当初の困惑した顔は、真剣な顔、不安な顔、楽しそうな顔、苦い顔、満足そうな顔へと変化。読図は失敗と正解を繰り返す楽しい所作です。行動中は2〜3ミリ程度の雨が降り続けた一日でしたが、電車が出町柳駅へ着く頃には上がりました。(T.Y) |